☆餌

 full-growthの珪藻グラシリスを与えている(グラシリスの培養)。

稚ボヤ;1回/2-3日---海水の1/100-1/50程度
成体*;1回/1日---海水の1/50-3/50程度

 毎日観察して状態をチェックする。水槽の中の海水にgracilisが残って水が濁っているようならば餌を減らす。糞は水換えの際に除けるが個体が着生していない場合は、ピペットで除く(ピペッティングの後は、必ずバケツの中の水道水でピペットを洗う)。餌は必ずしも毎日やらなくても良い。状態に応じた飼育が望まれる。急激に成長が進むので注意を要する。

※餌に関する諸問題

 単一の餌による栄養欠陥はしばしば問題視される(科研費報告書 1989)。実際に成熟まで育てることは可能であるが、グラシリスのみの給餌では卵の成熟に関して今一つである。少なくとも静水系においては餌の沈澱が量的な餌の不足をもたらしていることは考えた方がいいだろう。
 餌の量は目安は上に示してあるが適当である。腸に消化管にいつも糞が詰まっている状態が良い。餌のやりすぎは、水質の悪化及び、食べすぎによる腸の糞詰まり(やがて腐って死ぬ)などを起こすので注意を要する。稚ボヤの場合は、排出されたフンが大きな塊になってしまい、それを改めて食べてしまうことが死因になるので、小まめにフンを除去することが必要である。古くなってダマになってしまった餌も同様である。一方で餌の不足は成長不良を起こす(体長は大きくなっても、生殖腺の発達が良くない場合がある)。特に、受精後3-4週間辺り(体長にして1cm程度)に急激に成長する時期があるが、この時期に今までの餌の量でよいと考えていると実は不足であったりするので、この時期における世話は特に大切である。
 稚ボヤが成長する分には濃縮グラシリスで十分である。この方が使用海水が少なくて済む。グラシリスの培養液は、有機物が多量に含まれているので、水質の維持という点では遠心で珪藻を集めた濃縮液の方が好ましいが、培養液そのものが栄養になっている可能性もあるので、コントロールをとるべきだろう。