☆水換えの目安
gracilisもしくは糞の沈澱による汚れは、水質悪化を招くので、換水の際は水槽の底に付着した沈澱を除去するのが望ましい。それらはキムワイプ等で拭き取ると良いと思われる。また、餌やりや糞除去をしないときでもピペッティングして底に溜まっている沈澱をまきあげると良い(ピペッティングの後は、必ずバケツの中の水道水でピペットを洗う)。ピペッティングは同時に餌の再利用という意味も持つ。水質悪化は、個体の密集とならんでホヤに悪い影響を及ぼすので気をつける。また、換水は汚れの除去の意味を持つと同時に、成長に関する何らかの必要成分の補給という意味を持つと思われる(泉水氏談
1995、科研報告・牛窓臨海)。これは、経験則でしかないが、水がきれいに見えていてもホヤの状態が悪化するし、またその場合でも換水によって復調することがあるので、実際に何かしらホヤに不可欠な必要成分が海水中に含まれている可能性がある。ジャマリン海水*で、稚ボヤを飼っていたとき、その成長が、著しく悪かったことを考えると、変態後は、天然海水で飼育する方が無難である。もう一つ考えられる単純な理由として、グラシリス培養液を含んだまま餌をあげると、海水の濃度が下がる、ということが考えられる。親は、75-80%、幼生は90%程度まで、濃度の減少に耐えられる(泉水氏談,1995、野間口ら談,1996)。この対策として、遠心によって濃縮したグラシリスを餌として用いるのは非常に有効であった(水が腐りにくい&換水の頻度を落としても大丈夫)。が、その分手間がかかる。 |